文字サイズ 標準特大

一般成分

日本食品標準成分表2015
七訂 日本食品標準成分表 脂肪酸成分表編

日本食品標準成分表2015


一般成分とは水分、たんぱく質、脂質、炭水化物及び灰分である。一般成分の測定法の概要を表6に示した。

  1. 水分

    水分は、食品の性状を表す最も基本的な成分の一つであり、食品の構造の維持に寄与している。人体は、その約60 %が水で構成され、1日に約2リットルの水を摂取し、そして排泄している。この収支バランスを保つことにより、体の細胞や組織は正常な機能を営んでいる。通常、ヒトは水分の約2分の1を食品から摂取している。

  2. たんぱく質

    たんぱく質はアミノ酸の重合体であり、人体の水分を除いた重量の2分の1以上を占める。たんぱく質は、体組織、酵素、ホルモン等の材料、栄養素運搬物質、エネルギー源等として重要である。

  3. 脂質

    脂質は、食品中の有機溶媒に溶ける有機化合物の総称であり、中性脂肪のほかに、リン脂質、ステロイド、ろう、脂溶性ビタミン等も含んでいる。脂質は生体内ではエネルギー源、細胞構成成分等として重要な物質である。成分値は脂質の総重量で示してある。ほとんどの食品では、脂質の大部分を中性脂肪が占める。中性脂肪のうち、自然界に最も多く存在するのは、トリアシルグリセロールである。

  4. 炭水化物

    炭水化物は、生体内で主にエネルギー源として利用される重要な成分である。炭水化物は、従来同様いわゆる「差し引き法による炭水化物」すなわち、水分、たんぱく質、脂質及び灰分の合計(g)を100 gから差し引いた値で示した。ただし、魚介類、肉類及び卵類については、一般的に、炭水化物が微量であり、差し引き法で求めることが適当でないことから、原則として全糖の分析値に基づいた成分値とした。なお、硝酸イオン、アルコール、酢酸、ポリフェノール(タンニンを含む。)、カフェイン及びテオブロミンを比較的多く含む食品や、加熱により二酸化炭素等が多量に発生する食品については、これらの含量も差し引いて炭水化物量を求めた。炭水化物の成分値には食物繊維も含まれている。食物繊維の成分値は別項目として掲載した。

  5. 灰分

    灰分は一定条件下で灰化して得られる残分であり、食品中の無機質の総量を反映していると考えられている。差し引き法で求める炭水化物の算出に必要である。


数値の表示方法
表6 一般成分の測定法
成分 測定法
水分 常圧加熱乾燥法、減圧加熱乾燥法、カールフィッシャー法又は蒸留法。ただし、アルコール又は酢酸を含む食品は、乾燥減量からアルコール分又は酢酸の重量をそれぞれ差し引いて算出。
たんぱく質 改良ケルダール法によって定量した窒素量に、「窒素‐たんぱく質換算係数」(表7)を乗じて算出。なお、茶類及びコーヒーはカフェインを、ココア類及びチョコレート類はカフェイン及びテオブロミンを別に定量し、これら由来の窒素を差し引いてから算出。また、野菜類はサリチル酸添加改良ケルダール法で硝酸態窒素を含む全窒素量を定量し、別に定量した硝酸態窒素を差し引いてから算出。
アミノ酸組成によるたんぱく質 アミノ酸成分表2015の各アミノ酸量から、アミノ酸の脱水縮合物の量(アミノ酸残基の総量)として算出。
脂質 ジエチルエーテルによるソックスレー抽出法、クロロホルム‐メタノール改良抽出法、レーゼ・ゴットリーブ法又は酸分解法。
トリアシルグリセロール当量 脂肪酸成分表の各脂肪酸量から、トリアシルグリセロールに換算した量として算出*
炭水化物** 差し引き法(水分、たんぱく質、脂質及び灰分の合計(g)を100 gから差し引く。)。硝酸イオン、アルコール分、酢酸、ポリフェノール(タンニンを含む。)、カフェイン又はテオブロミンを多く含む食品や加熱により二酸化炭素等が多量に発生する食品では、これらも差し引いて算出。
利用可能炭水化物(単糖当量) 炭水化物成分表2015年版の各利用可能炭水化物量を単糖に換算した量の総和として算出***
灰分 直接灰化法(550 ℃)
*{可食部100 g当たりの各脂肪酸の量 × (その脂肪酸の分子量 + 12.6826) / その脂肪酸の分子量}の総量。ただし、ショートニング(食品番号14022)を除き、未同定脂肪酸は計算に含まない。12.6826は、脂肪酸をトリアシルグリセロールに換算する際の脂肪酸当たりの式量の増加量〔グリセロールの分子量 × 1/3-(エステル結合時に失われる)水の分子量〕。
**魚介類、肉類及び卵類;アンスロン‐硫酸法
***単糖当量は、でん粉には1.10を、二糖類には1.05をそれぞれの成分値に乗じて換算し、それらと単糖類の量を合計したもの
表7 窒素‐たんぱく質換算係数
食品群 食品名 換算係数
1 穀類 アマランサス10) 5.30
えんばく
オートミール6)
5.83
おおむぎ6) 5.83
こむぎ
玄穀、全粒粉6)
5.83
小麦粉6)、フランスパン、うどん・そうめん類、中華めん類、マカロニ・スパゲッティ類6)、ふ類、小麦たんぱく、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮 5.70
小麦はいが10) 5.80
こめ6)、こめ製品(赤飯を除く) 5.95
ライ麦6) 5.83
4 豆類 だいず6)、だいず製品(豆腐竹輪を除く) 5.71
5 種実類 アーモンド6) 5.18
ブラジルナッツ6)、らっかせい 5.46
その他のナッツ類6) 5.30
あさ、えごま、かぼちゃ、けし、ごま6)、すいか、はす、ひし、ひまわり 5.30
6 野菜類 えだまめ、だいずもやし 5.71
らっかせい(未熟豆) 5.46
10 魚介類 ふかひれ 5.55
11 肉類 ゼラチン8)、腱(うし)、豚足、軟骨(ぶた、にわとり) 5.55
13 乳類 6)、チーズを含む乳製品、その他(シャーベットを除く) 6.38
14 油脂類 バター類6)、マーガリン類6) 6.38
17 調味料及び香辛料類 しょうゆ類、みそ類 5.71
上記以外の食品 6.25

参考文献

七訂 日本食品標準成分表 脂肪酸成分表編


(3) 水分及び脂質

利用者の便宜を図る観点から、第2章の第2表に、水分及び脂質について七訂成分表収載値を収載した。水分及び脂質の分析法の概要を表4に示した。

数値の表示方法
表4 水分及び脂質の測定法
成分 測定法
水分 直接法もしくは乾燥助剤添加法の常圧又は減圧加熱乾燥法による減量法。ただし、アルコール飲料は乾燥減量からアルコール分の重量を、食酢類は乾燥減量から酢酸の重量をそれぞれ差し引いた。
脂質 ジエチルエーテルによるソックスレー抽出法、クロロホルム‐メタノール改良抽出法、レーゼ・ゴットリーブ法又は酸分解法。